<A Virtual Exhibition> 現在、あらゆる種類の文化施設が閉鎖されているが、美術館や博物館の中にはオンラインでバーチャル展覧会を開いているところもある。しかも有難いことに、無料で視聴できるものも少なくない。
例えば、オックスフォードにあるアシュモリアン美術館。
オンライン・エキシビションの「ヤング・レンブラント」では、17世紀オランダを代表する画家、レンブラントの初期の作品を鑑賞できる。イントロの動画でキュレーターが主な作品を解説しており、英語の字幕もついているのでわかりやすい。20代の画家の成長の軌跡や、時代背景についての説明書きも役に立つ。
私は昨年9月、美術館が再開していた時期に、実際にこの展覧会を見に行った。入場者数が制限されていたため、がらんとした会場で一つひとつの作品をじっくり堪能することができた。自画像を始めとして、さまざまな人物の肌のきめや、衣類の質感、装飾品の細部の艶など、至近距離で見て圧倒された。画布に描かれたものとはとても思えないうえ、まるでその人が知り合いであるかのような不思議な感じがした。やはり実物に勝るものはないのだが、コロナで自由に外出できない今、自宅で名画をゆっくり眺めるのも悪くはない。
アシュモリアンのウェブサイトには、少し変わった趣向のこんなエキシビション動画もある。
「マインドフルなアートの見方」とでも訳せばいいだろうか。マインドフルネスの短いトレーニングを受けてからアートを鑑賞するという試みで、この美術館のコレクションに含まれている19世紀のジュエリー、クロード・ロランの風景画、ラファエルの習作がとりあげられている。