火曜日のマーケット

<Tuesday Market> イギリスではロックダウンの解除が段階的に進んでいる。昨日から食料品店以外の店も営業を再開できるようになり、モートン・イン・マーシュの屋外マーケットも復活した。毎週火曜日に開かれるこの定期市は、1月初旬にロックダウンに入ってからは食品を扱う2、3の屋台だけ出ていることもあったが、買い物客もほとんどおらず閑散としていた。

Tuesday Market in Moreton in Marsh

今日はお天気がよかったこともあり、ハイストリートが久しぶりに賑やかになった。この町にしてはけっこうな人出である。

写真のとおり、木々は新緑の芽吹きも見られず、まだまだ春らしい雰囲気とは言い難い。日差しは明るくても気温が低いので(今朝も氷点下)、厚手のコートが手放せない。しかし冬眠のようなロックダウンからようやく抜け出て、元の生活に少しずつ戻り、やれやれと大きく伸びをしている気分だった。

この火曜日のマーケットは歴史が古く、13世紀前半にまで遡る。1226年に当時の国王ヘンリー3世から、週に一度だけ市を開く許可が与えられ、モートン・イン・マーシュは正式にマーケットタウンになった。その後はもちろん盛衰があり、今回のパンデミックのように通常営業が中断された時期もあったが、完全に消滅することはなく今日まで続いている。5年後の2026年は800周年となる。

観光客向けの情報では、「コッツウォルズ地方最大のマーケット」と宣伝されることも多い。実際には、安物のこまごまとした日用品や食料品が中心で、気の利いたお土産を探そうと思って来てもがっかりするだろう。とはいえ、近くに便利なショッピングセンターなどがない地元民にとっては、貴重な定期市である。今日は買わなかったが、ある定番屋台の名物ポークパイはとても美味しい。来週また行ってみよう。